描きながら
絵を描いていると、風景であろうが、静物であろうが、人物であっても、ふと見ただけでは気づかないことに気がつけます。
普段目に留めないようなものであっても、絵にするという事は立体を平面にすることですから、視覚や頭の中のイメージから得られる情報を自分の中で平面に置き換えてみて、指先からそのイメージを形にします。
その過程で、いつもは思いもしないことに気が付くのです。
そして、人物だと特にそれが強く働いて、ほんの0.1㎜のずれ、曲線の角度の違いで全く表情や動きが変わってきます。
いかに人間の脳内で人の識別に関わる部分が発達しているかを実感します。
今描いている絵ですが、青山さんを大きなキャンバスに描いていて思うことがあります。
右側の親子はそれほど苦労せずに描けるのですが、青山さんが、どうしてもうまく描けない。
平面にしてみると、周りの人物と比べて、どうしてもバランスが不自然になる。
青山さんのあの独特な顔と体のバランスはとにかく書きにくいです。
異常なほどのたれ眉、たれ目、たれ頬。。
はたして、青山繁晴さん。本当に人間なのでしょうか。じつは妖怪?
と思ってしまうほど。
この写真の見事な表情は一生かけても完璧には書けません。
青山さんに限らず、人の身体は絶妙なバランスを保っています。
天のお与えくださるぼくらの身体の尊さを教えていただきました。
このように、部活では毎回青山さんに苦しめられ続けていますが、その試行錯誤が授業後の楽しみです。