故意になまける
ふとしたことで知った寺田寅彦先生の作品を探しにアマゾンで検索をかけてみると、無料で頒布されている本の、それもかなりの数の存在に気づいた。
タイトルに惹かれて、この「わが中学時代の勉強法」という随筆を開いてみると、これが面白い。
故意になまけるという言葉は、自分の中での一種の指針になったような気がする。
驚いたのが寺田先生の訳した、3500ページほどもあるスヴァンテ アレニウス教授の「宇宙のはじまり」がワンクリックで読めてしまうのである。
アレニウス教授というと、ノーベル化学賞を受賞し、ぼくのような化学をほんのひとかじりしているのみの人間でも知っている、化学の教科書にでてくる有名人だ。
寺田先生がアレニウス教授と面会しているということを知ったときには大変驚いたが、訳著もしていたとは初耳だった。
寺田先生の著書をお持ちでない方は、まずこのような文明の助けを借りて読んでみてはいかがだろうか。
そのうえで余裕のある大人の皆さんには、中古ではなく新品で、そして電子書籍という味気ないものではなく生の本を買っていただきたい。
本のページを手でめくっていく感覚は後世に残すべき財産だから。