阪急電車
友達が貸してくれた小説。
好物を少しずつ食べるように読んでいたのだが、残り少なくなると夜更かしして一気に読んでしまった。
阪急の今津線を舞台にした有川浩さんの「阪急電車」という一冊だ。
とある機会に乗ったことがあるのでイメージは湧きやすいだが、想像力の邪魔になるほどではないので、その点、一番楽しい読み方が出来た気がする。
駅ごとに人物が登場し、それぞれの駅での登場人物の出会いが、深浅はあれど確かに互いに影響しあっている。
ある乗客の放つたったひとことが別の乗客の人生を変えたかと思うと、別のところではとある男女が恋人関係に発展したり、その様子を密かに観察して微笑む乗客もいて。
ある電車に乗り込む様々な乗客。それはただの乗客であるのと同時に、そのひとりひとりに焦点を当ててみると、それぞれがドラマの主人公であることを気づかせてくれる。
大変ホッコリとする小説だった。
そして見聞を広げておくことは非常に大切なことだと実感した。