修学旅行
3泊4日の修学旅行に行っていました。
10時頃の予定だったのが、帰宅したのは深夜1時前。
というのも、例の関東の大雪によって、羽田での乗り継ぎで大幅に遅れが発生して機内で待つ時間が続きました。
機体に積もった雪を落とすのに時間が掛かり、滑走路が一杯でなかなか飛びません。
空港全体がパンク状態でした。
そんななかで全力で対応にあたるあらゆる職種の方々の動きを見ていると、本当に凄い国だと改めて感動します。
行きは天気もよかったのですが、青山さんのANAの職員の皆さんを絶賛なさるのに納得しました。
持ち場の完了した方から順に整列し、笑顔で手を振って送り出してくださるのをずっと見ていて、そのキラキラした表情に、「ああ、これでもう帰ってもいいや~」と思ってしまった程です。
そして、到着した時には修学旅行生に向けて、人生一度きりの修学旅行を大切に楽しんでくださいとのアナウンス。
こんな素敵な仕事があるんだなぁ。
何事も、聞くのも大事だけれど、実際に経験してみると全く違うものですね。
札幌で少しの自由時間を過ごした後、宿泊地の留寿都に向かいました。
目の前にゲレンデの広がるホテルで、真っ白な雪景色に見とれていました。
雪国の方にはなんともない風景なのかもしれませんが、ほとんど雪の降らない土地で育ったので雪景色には憧れがあります。
旅行のメインである二日間のスキー実習もここで行ないました。
レベルごとに10人ほどの班に分かれて、それぞれにインストラクターの方がついて指導してくださいます。
全くスキーの経験はなかったので、同じく未経験の生徒で班ができるのですが、みんな優しい子ばかりで、担当のインストラクターの方も優しく、上手くいったり苦戦しながらも楽しかったです。
別の山へ向かうゴンドラの中で沈黙が続くので、池田さんと長谷川先生が下さったコメントを思い出して思い切ってインストラクターの先生に質問してみました。
その先生は見た感じ50代くらいの体格のいい、でも優しい顔の北海道の男性でした。
ずっとこの仕事をなさっているんですか、と聞いてみると、かなり経験のある方のようです。
夏の間は土建屋をしていて、冬になるとスキーの指導をなさっているそうな。
例年は栗山監督のお住まいになっている栗山町で仕事をしているそうなのですが、今年はスキーの大きな大会(世界大会か全国大会)が開催されるとのことで、なにか得られるものがあるのではないかと留寿都に来られたそうです。
そしてしばらく話を続けているとスキーの話に戻って、どのような方針で教えているかということを教えくださいました。
他の先生の中にはただなんとなく楽しく滑らせたらいいという先生もいるのだけれど、ぼくは滑って帰らせるつもりはない。滑れるようにして帰らせる。次スキーに行く機会があったときに少しでも滑れるようになっているように。次に繋がるようにしてほしい。
そんなことを仰いました。
優しい物言いで常に穏やかな人柄なのだけれど、練習内容がかなりハイペースなのにはそんなわけがあったのです。
たった二日間の実習にそこまで本気になって教えてくださっているということに感動していました。
例の化学の先生も、もし北海道に行って道に迷えば、スマホもいいけれど、人に聞いてみるということも考えてみてください。もしかすると、美味しいものが安くなったりタダになったり、ということがあるかもしれません、と言っていました。
掌にのる四角い板でなにもかもが一瞬にしてわかるようになったような気がしますが、実際には多くのことが見えなくなっているのかもしれません。
例えば、飛行機に乗ると多くの同級生がスマホを取り出し、イヤホンを着けてしまうものだから外で何が起こっているのかもわかりません。
CAや機長のアナウンスも全く聞こえていません。
おまけにイヤホンをつけたまま隣の子と話すものだから、その大声で何も聞こえません。
ぼくは飛行機が大好きなのでルンルンですが、寝ようとしている子や、前の席に座る仕事帰りと思しきおじさんが目に入らないのかなと思いつつ、「普通の人も乗ってはるんやし、ちょっと音量だけ落とそうよ」なんて言ってみても、そのときは聞いてくれますが、周りがうるさくなるとそれに合わせてもとに戻ってしまいます。
しかも、みんながどんなことをしているのだろうとスマホの画面を見てみるのですが、みんな同じようなゲーム。
なんだか、広くなったようですごく世界が狭くなっていると感じてしまいました。
外に関心がなくなっていき、していることもみんな似通っているということに、非常に危ういものを感じます。
そんな中で、スキーの先生、二日間とも優しく声を掛けてくれた食堂のおばさん、気さくに話しかけてくれるおじさん。
北海道って、ものすごーく寒いけれど、心の温かい方がすごく多かったです。
心が潤いました。
スキーのリフトで話したクラスメイトのリーダーシップや志に改めて感銘を受けたり、普段あまり話さない子の意外な優しい一面を見つけたり、ある生徒の余りに身勝手な行動に呆れたり、仏の笑顔でドキツイひと言を放つ姿に腹を抱えて笑ってしまったり、北海道まで行って他校に進学した中学の同級生に会って盛り上がったり。
先生にも、改めて関心することもあれば、いつも偉そうに威厳たっぷりに言っていることと自身の行動が全く矛盾していたり。怒ってばかりいるけれど、その先生にしてその生徒ありじゃないか、なんて思ってしまうところがあったり。
あれだけ長い時間一緒にいることは無いので、先生や同級生の普段見えない面が、良くも悪くも浮き彫りになって面白かったです。
これがちょっと棘のある現在の僕の感想です。数十年先に読むとどう思うのでしょうか。
とにかく、北海道は本当にいいところでした。楽しかったです。