犬と猫と人間と
「犬と猫と人間と」
講演会仲間であり、猫や犬など、身近な場所でさまざまな環境におかれている動物のボランティアをなさる方から貸していただいている映画です。
拝見しましたが、日本社会の中に隠れる闇と、そんななかにも必ず光るわずかな希望を見せてくれる映画でした。
日本の捨て猫、捨て犬を中心とした動物たちと、彼らに関わる人々に焦点を絞ったドキュメンタリー映画です。
映画の製作時点では、一日に千匹近くという殺処分数を冒頭で知らされて、かなりのショックを受けたのですが、内容を見ていくとますます酷い現実を知ることとなります。
同時に、それに関わる人々の現実も。
とある県での行政の施設のシーンがあります。
民間の組織だけでなく、保護に関わる行政組織もあり、その連携がある場合もあるようです。その連携の良き面、課題の残る面も映画に描かれています。
そして、実際にその手で殺処分を行う方々がいらっしゃいます。
その県の施設では、殺処分される動物が可動式の檻にいれられ、直接トラックに積めるようになっているのです。そこでの信じられない現実。
なんと、生きたままトラックに積まれ、道路を走っている最中に息を引き取るというのです。
理由は、地域住民の反対で、施設内で殺処分ができないこと。
人間が勝手に捨てた動物たちが寒さや暑さ、風雨、飢餓に耐え、必死に生き抜いて子孫も増えた結果、人間によって集められて殺され、そして信じがたいことに、それを汚れ仕事とみなし、それを行う人間をも侮蔑する。
そんな方々、本当は動物が大好きでその仕事に就いたはずなのに、です。
人間って、限りなく恐ろしくなり得る生き物なんだと思います。
もとは自分の蒔いた種で、それが厄介になると邪魔者扱い。
そして、自分だけはいつも安全圏に置いておく。
同様に、ボランティア活動で動物を救う人々も苦しみの中で精一杯自分にできることをこなされています。
今以上に辛い思いをする猫や犬を減らすため、避妊去勢手術に取り組まれているのですが、動物を心から愛する皆さんがそれを行わなければならないことがどれだけ苦しいことかと思うんです。
場合によってはお腹に赤ちゃんがいる場合もあるそうで、それを見つめる表情は見ていられませんでした。
もとはと言えば、興味本位で動物を飼い始め、自分の事情で捨ててしまう。そんな人達の、きつい言い方をすると尻ぬぐいをしているのが、動物を愛し、人生の多くの時間を使って保護に取り組む方々なんですよね。
この現実、世の中歪んでいると思いませんか。
それでも絶望せずに済むのは、その方々の努力が実を結び始めていること。
殺処分数も日に日に減ってはいるそうです。
とにかく、目にしたくない現場が裏に広がるペットショップで動物を飼うのはやめましょう。
この映画の監督さん、取材の入念さから、謙虚な姿勢、全体の構成、細部の工夫まで、すごく腕のある方だと思いました。
ぜひ、皆さんも見てみてください。
それと、何より思ったこと。
映画の最後でも少し触れられていましたが、戦時中の動物の扱いですが、それもひどいものでした。
しかし、ぼくは仕方のないことだと思います。
人間が生きるか死ぬかの極限まで追い込まれると、多くの人はそこまで手を回す余裕はないと思うのです。
もちろん、そうなれば動物はどうでもいいと言っているわけでは断固ありません。
ぼくが言いたいのは、人間に余裕のある事、つまり、国全体として余裕がなければ、動物が犠牲になるのは避けられないと思うのです。事実として、動物に関心の高いヨーロッパ諸国でも、殺処分ゼロではないそうです。
だから、国が豊かである事がいかに大切か。
こんな面でも国力を高める必要があると思います。
なのに、ここ数日のニュース。
なんだか、あまりにも醜くくて、ちょっと信じられないくらいです。
やっぱり、ぼくらには多くの希望があると同時に、課題も多さも痛感します。
本当はもっと調べて、詳しく書きたい。もっと他に山ほど感想があるのですが。
ぜひ、映画もきっかけのひとつにして、動物たちの問題にも目を向けてみてください。
DVDを紹介し、貸してくださったことに心から感謝いたします。
さて、ここ最近あまり更新できていませんが、元気です。
勉強漬けの毎日で、朝方まで眠れない日もしばしば。
それでも元気です。
勉強に集中できる環境に居ることはすごく幸せですし、勉強も楽しいけれど、ここまで山のような量だと、それに押し潰されそうにもなります。
しかし、毎日我慢することもありつつ頑張っていると、思わぬところで天からのご褒美もあったりして、気持ちはすごく明るいです。
この土日も楽しみな予定があります。土曜はサイン会です。